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厩橋・広瀬川[日記] 2020/02/03

厩橋(うまやばし)とは中世前橋の呼称。

初めて泊まる前橋は、以外にも坂が多い街でした。
アーケードの商店街も、ゆるいアップダウンを繰り返しながら、うねるように伸びている。
今までにお目にかかったことがない、坂、というより大きめのデコボコが続くふしぎな街でありました。

市内を流れる広瀬川は朔太郎の詩にも出てくるシンボリックな存在。
橋上から眺める暮れなずむ街とゆらぐ柳は、旅にある孤独と自由さを否が応にもかきたててくれ、足は自然と酒場に向かいます。

群馬は焼き鳥が美味しいんです。
しかもこの店の壁の看板には猟師と雀が!
聞けばやはり昔は雀を出していたんだそう。
いまは鳥とトンが半々くらい。
時代を経た店内に、だんだんと酔いが廻った躰が同化してゆき、時間の流れもゆるくなってゆきます。

その店で仕入れた、
「近くの蕎麦屋<大川屋>さんは歴史も古くやっぱり旨い」
という店主と常連さんの話をもとに、二軒目はその蕎麦屋さん。
いかにも上州の蕎麦屋といった態で、しみじみなじむ自分を感じます。

明け方目を覚ますと、見事な朝焼け。
そのせいか仕事は順調で、巻数の符丁付きの瓦経や東大寺の千体仏など仕入れられました。