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古美術品
美術品と謳いながらも、誰でもが分かるきれいなものは好きではありません。
九谷や金蒔絵の豪華な<美術品>は他に任せ、貴族や武家といった支配者側の美術品よりも支配される側の美術品にひかりを当ててゆきたいと思っています。

神像、狛犬など一木造りの彫刻。合麓・秀衡などの時代椀。
無名の工人の無作為の仕事によりうまれ出でたる品々。 考古の発掘品。
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美術書
そのもの自体が美しい<美術書>と古美術品蒐集にとって役立つ<美術の本>。双方を紹介してゆきます。
たとえば、写真の二冊は一般的にはほとんど知られてはいない図録でしょうが、それぞれの道を志す人にとっては無くてはならぬ必携の書。
千々和到先生の『牛玉宝印』
松田光先生の『仏教美術入門』
お客様からの情報もいただき、資料紹介・資料探求の場としても使っていただけたらと思います。
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宗教版画

はじめて、このお札を見せられたとき文字どおり身体が震えたことを覚えています。
骨董屋として四・五年が経ち、モノを覚えていったと同時に少しづつモノにも飽きてきていた頃だったのでしょう。
ぱっと見た瞬間、全体にあふれる呪術的威圧感。ある種のデーモニッシュ的存在にに打ちのめされました。
続いておとずれた、これはいったい創作版画なのか、薬の包紙なのか?何モノなのかが判らない不安…。
とにかく自分のものにしなければ、と震える手で包むのももどかしく買って帰ってきました。
調べてみると、秩父札所の二十五番久昌寺の札。

このグルグルしたヘンな物は閻魔さまの御手判ということで「こんな世界があったんだ」と。

まさに開眼いたしました。


陰陽に通じる黒白での表現。

【印仏】や【摺仏】が修行であるように、同じ行為を何度も行う版画に通う宗教性。
その魅力をお伝えできればと思います。

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信仰遺品
写真は木食白道の大黒です。
白道は甲斐の国、今の塩山市の生まれの廻国僧といわれています。
「木喰」行道と行動を共にしたことでも知られ、いわゆる作仏聖として諸国を経巡り仏を彫っていたようです。
こういった民間仏から、絵馬・神酒口など現代につづく信仰遺品をとり上げてゆきます。
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