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夏の思い出[日記] 2019/09/20

今年の夏は長年の宿題一つが片付きました。

『上毛三碑を一日で廻る』
関東の方は上野三碑として知ってられる方も多いと思いますが、
それ以外のかたにはマイナーかもしれません。
あっ、拓本好きの方には知られた存在ですかね。

灼熱の一日、(北関東は暑いのだ)
踏切を待っていると、そこにぐんまちゃんが。
上信電鉄の「ぐんまちゃん列車」という奴らしい。
そのあとには美少女の「上州鉄道 3むすめ」というのが続いていました。
軽くムカつきながら、最初の『山上碑及び古墳』に到着。
山上碑は681年、宇治橋碑に次ぐ我が国第二の古さの年期銘を持つ石碑です。
7世紀の古墳の横に建つこの碑にたどり着くまで、結構バテました。
小高い丘ぐらいにタカをくくっていましたが、暑さもあってキツイキツイ。
早々に退却。

次は『金井沢碑』
金井沢碑は726年。
ここはあっさり登れました。
この拓はなかなか見ませんね、一度しか扱っていない気がします。
どちらもしっかりした覆堂に収まっており、英語の解説も流れるユネスコ寄りの仕様。
味気なさに、ちょっとまたムカムカ。

そして最後は大御所『多湖碑』
三碑のなかで一番名高い多湖碑は和銅4年、711年。
羊の碑とも呼ばれ、沢山拓本も刷られ、まぁ言ってみれば愛された碑でした。
しかしその覆堂の中は…
20年ほど前に訪れた時にはなかった、体操選手が使うようなマットが敷き詰められていて、
碑の下まで見えません。
「気持ちはわかるけれど…」と二の句が継げず、しばしボー然と眺める次第。
この風情のなさは、わざわざ見に来よう、という気を萎えさせますね、削ぎ落としますね。

古の碑文を訪う、といった行為には旅情がつきもののような気がしますがね。