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素乃會 花巻温泉[日記] 2019/07/10

盛岡出身の演出家・女優である長岡輝子さんの朗読CDを車に入れてから、またひとつ宮沢賢治の世界が好きになった気がします。
文章で追っていると、突然の話の切り替えに面食らったり、多用される副詞に違和感を覚えたりしますが、声で聞くと、特に岩手の言葉であれば、すんなり耳に心地良く沁みてゆきます。

そんな賢治もつかったという花巻温泉大沢旅館で今年二度目の素乃會を開催いたしました。
素乃會というのは何度も語っておりますが、嗜好が近い骨董仲間うちのユニットで、
企画展をしたり、名所巡りをしたり、勉強会をしたり、交換会をしたり、美味しいものを食べたりする会のことです。

今回は、温泉に浸かってアイヌものの競りをしたあと、平泉を中心に仏教美術巡りをしようではないか、というわけ。
圧巻だったのが、一関名勝・猊鼻渓近く、松川という集落に残る「木造来迎阿弥陀及菩薩像」です。
二十五様、とよばれ親しまれてきたこれら平安仏は来迎の場面の菩薩や飛天。
残欠ですが浄土志向が色濃く表わされたその表情はまさに、この地に燦然と輝く平泉文化を具現しています。

小さなパーツなども、小なりといえども優美な姿。
皆でまるで撮影会のような盛上りでした。

お昼を一関の蕎麦屋<庵どう>さんで食し(大盛地鶏セイロ)次なるは多賀城碑。