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会津紀行 破[日記] |
2017/06/28 |
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「欲という名の妄想」で車を走らせるのだけれど、 大体が妄想先走り、現実に直面し落胆している。 その時のショックを少しでも和らげるために、資料館に行ったり美味いものを食べたりして「仕入濃度」を希釈する。
お客様は口を揃えて「旅して美味しいものを食べて呑んで、いいねぇ〜」と仰るが、ちがうのである。 えらいカネと時間をかけて山の奥の奥まで行った挙句、さわりたくもないようなガラクタしかなかった時の落胆、絶望、この瞬間までワクワクしていた自分への嫌悪感! その姿はこの世に裏切られた惨めな負け犬。 実際帰り道は世界中を敵に回しての呪いの言葉を、大声で吐き棄てながら運転する。せずにはおられない!!
そうならぬため、負け犬になった時の自分への救済策。 「なに、仕入れは半分さ。その資料館にも来たかったんだから」 「この蕎麦を食うために本当は来たようなもんさ」
で、「奥会津博物館」。 12月から3月までは休館。厳しい冬が偲ばれます。 地元に特化した展示は素晴らしく、さすが一個人が収集したものが基礎になっているからと、改めて収集の本義を学ばせていただきました。 特に木地師コーナーが実によくわかる。 思わず平成13年にでた企画報告書『木地語り』(200頁の力作)買ってしまった。 そのあとがきの一節。 会津のなかでの漆器産業の果たした役割の大きさを語った上で 「先人の記した足跡を消し去って恬として恥じない地方都市に明日はない」
表上の漆だけに終わらず、陰に隠れた木地師の生業にまで踏み込んだ、奥行きのある 展示を為せた訳は、日本を代表する漆器の産地<会津>の並々ならぬ矜持故に。 ということでしょうか。
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