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奈良田のおぼこ、と、甲州かなかんぶつ[日記] |
2017/01/24 |
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店で山の神の隣にしばらく置いてあったので、記憶に残っておられる方もいるかと思います。 「山の神に似ているけどなんだろうねぇ」 と会話をしていましたね。
ついに分かりました。 これは、甲斐の道祖神祭りの一口の中に混じっていたものですが、 やはり甲州の品でした。 「奈良田のおぼこ」 甲斐のなかでも奈良田という場所は秘境と呼ばれるほどの山村だといいます。 山奥ゆえに<民俗の孤島>として古い習慣を残していた土地だとか。
「素朴な、のどかなオボコは(デクとも呼ばれる)いまでは桐でつくっているが、本式にはやはりヌルデでつくるのがよいのだという。 やはり、絵の具で着色し、松竹梅などの模様をあしらい、「冨貴長命」「芽出度かしく」などと書く。 このオボコは初節句を迎える女の子親戚から送られるもので、(後略)」 『やまなしの民俗』上野晴朗著 そうしてこのオボコは格式張った贈与の言葉もなく、ごく自然に初節句の家に送り届けられるのだそうです。 関西の大学の先生に教えていただきました。(そして買ってゆかれました)
もうひとつは「甲州かなかんぶつ(おかぶと)」 端午の節句に飾られた張子の面と紙細工の鎧。 明治には廃れた風俗と先の『やまなしの民俗』にはあります。 昭和三十年頃、家屋の建替えなどにともない大量に放出されたようです。 今回入手できたのも、その頃出廻ったものでしょうか。
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