思えば18年ほど前、神道美術(しんとうびじゅつ)と看板をかかげ店を始めたのでした。 あのころは、そう相手に伝えると 「えっ、新しい焼物(新陶シントウ)を扱うの?」 なんて言われたものでしたが… 隔世の感であります。(プチ自慢)
まぁ、そんな戯言はさておいて、昔から少数の好事家達からは神像の素晴らしさは認知されていました。 それでも世間は神像を仏像の亜種といった扱いでしたので、やはり時代は大きく価値観を変えてきたのでしょう。 『大神社展』 東博で六月二日までです。
もうひとつ。 千葉市美術館で開かれている『仏像半島』展。 評判たかいので、混まないうちにと一番乗りしたのですが、 農協の爺様婆様のような団体がぞろぞろと。 しゃべり声もでかいし、とにかく品がない。 千葉県民は美術館のマナーも知らんのかっ!! と憤怒の相で睨め回すれば、あちらこちらで仏様に手を合わす姿が。
一瞬ぐっと胸に来て、不覚にも目が潤んでしまいました。
考え違いをしていたのはアタクシの方でした。 そのとおり。仏像は美術品ではありません。 しかし、ホントを言うと私は美術品とも見ていないのかもしれません。 カネを稼ぐ道具、商品としてしか。 「平安仏特有の優美なお姿」というのは<儲かりそうな良好なコンデション> 「丈六の立派なお姿」とは<でかいほうが高く売れるなっ!> ってなぐあいに。
…あまり悩まず、清濁併せ持って日々を歩いてゆきたいです。
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