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ウブさ[日記] |
2011/02/01 |
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世に業界用語は数多ありますが、我われの業界も勿論その特異さにおいて他に引けをとるものではありません。 毎日都内のどこかしらで開かれる骨董市場での競りは、築地の魚河岸よろしく符丁で行われます。 重さ=貫目を土台にして、十貫目だ!百貫だ!怒声のようなヤリ(競り句)が飛び交っています。
もうひとつ、ウブ。 漢字で書けば初心、初生…。 これは殺し文句です。 「この品はウブだよ」 「これはみんなウブ荷だらかね」 どうして我われはこの言葉にこうも弱いのか? みなさんの想像以上に、我われはこの言葉を尊び、そして…ひっかかっているのです。
さて、先日、先祖は徳川直参の旗本だったというお宅から、 数十年前に骨董屋に払い下げた荷物の<残り>を出してもいいけど、買わんかね? と、うれしいお誘いを受けた。 手付かずだったという書簡や日記などをみると確かに、 武家の出で北海道や朝鮮の領事を務めている。 数は多くないが、意外なものがありとても楽しい。
これなども李朝の化粧道具。 明治の終わり大正頃、覚書が書かれた当時の箱に入っている。 そのころの京城で購ったものなのだろうか。
なんだか、この箱がタイムカプセルのように見えてきた。
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