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鏡 二面[日記] |
2011/01/18 |
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十年ほど前、韓国の湖厳美術館に「大高麗国寶展」を見に行った時、 発掘されたと思しき銅製の鏡に阿弥陀三尊やら数々の観音様が線刻されているのを見て 「鏡像って日本独自のものではないの!?」と大変驚きました。 鏡像・御正躰は神仏混交の末に生まれた、最も日本的な信仰遺品だと聞かされてきたからです。
今では、朝鮮のみならず中国からも同様の<鏡像>が報告され、 ひとり日本だけのものではなく、東アジア一帯に流行した様式とみなされています。
しかし、様式は外国から入ったものでも、 鏡像・御正躰は実に日本的な宗教美であるように私には思われます。 和鏡<わきょう>という言葉の清らかな響きとともに、神と仏が近かった頃に想いを馳せるのは楽しいひと時です。
御正躰は水分明神。 薄い銅地に銀を乗せ、金峯山出土と伝えられます。 吉野水分神社につたわる玉依姫のような姿。 残径24センチ
草鳥紋の平安鏡は火中した形跡も、寺社に打ちつけ奉納した釘跡もなく、 裏には裂のあとまでみえます。 これも経塚遺品だったのでしょう。 緑青の色、薄い器体が儚さを感じさせます。 (両方とも売約済み)
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