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アキバの居酒屋[日記] 2018/06/05

目白の長谷雄堂の並びには割と名の知れたフランス料理店があったのですが、先日それこそ「あッ」という間に無くなってしまい、いまそこは<まいばすけっと>になっております。
おしなべて、お金持ちは存外にケチですから、高級住宅街の真ん中にあるイオングループの<まいばすけっと>は連日大賑わい。
皮肉な事、とかたずけるよりも、ままならぬ世の中にわたくし自身が立っているんだな、と、いやでも認識させられる日々であります。

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無常、という言葉はその含むところ多く、この場面で使ってみたくもなりますがどうでしょう?

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山男に言わせると、百名山踏破などと云い沢山の山を登りたがるのもいれば、お気に入りの山をコースを変えたり、季節を変えたりしながら、あまり浮気をせずに攻め続けるタイプと二通りあるそうですね。
酒場も同じように有名居酒屋を制覇するのを楽しみにしている方と、今宵もおなじカウンター、ご自分の定位置が出来上がっている方もいる。こういう方はたのむメニュウも毎晩おなじなんだそうです。
わたくしはどちらかと云えば後者のタイプで、3軒程のなじみの店を日ごとに廻っているようなわけで。
それはひとつに「いい店」というのは絶対的に少ない事実があります。
地方にいったときは果敢にチャレンジいたしますが、都内ではどうも失敗したときのその一晩が何やらとても勿体なく思えてしまい、ついついいつもの店にと相成ります。

さりながら…、ここでやっと出てきます「無常」
<ギンキョウ>が<まいばす>に代わったように十年スパンでは不変と思われていた江戸前の老舗居酒屋がどんどん廃業しているのを目の当たりにしてみるとさすがに焦りが出てきます。

店の前まで行ったのに!悔やんでも悔やみきれない野毛〈武蔵屋〉
一度しか行けなかった大久保の<黒鉄>
横須賀の<銀二>
ここんところ閉まりっぱなしの山谷<大林>

そんな無常の風に背を押されて、行ってまいりました秋葉原。
メイド娘を横目に見ながら辿り着いたは名店 <赤津加>

流石、建物は申し分なし。
肴もまぁまぁ。しかしなんといっても客層がいい。
定番のおっさん達は無論、近くのIT関係らしい若いサラリーマンのグループが何組かいて、漏れ聞こえてくるその愚痴や自慢話がいい。
あの部長の話、マジ目が点ッ。
オマエあれ一人で取った仕事だと思ってるのか?
はい、ロンパー(論破)!

カワイイです。微笑ましい。聞き耳立ててるだけで三合は呑めます。
生きた酒場ですね、ともすれば化石のように押し黙って呑むのを強要させられる店に比べると(そういうところも好きですが)
この酒場は生きてます。



この日のメイドさんは数えるほど。
何かイベントがある日は凄いらしいので、次回はそんな日に合わせ出掛けてみようかなと。