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江分利滿氏[日記] 2018/02/03

今年はこの日に読み終えた。
連載されていた『男性自身』には全く興味がなかったし、作家としての山口瞳にも同じようなスタンスだったが、
なにかの折に古書店で求めた、おそらく時間つぶしにでも、と思って購ったこの二冊がいつしか手放せなくなっていた。

「何がいいの?」
泣けるのである。
「これを読んで泣かないニッポン男児がいるのかね」
と山口風に問いかけたくなるくらい、胸にグッとくる。

数ある山口瞳の作品の中でもこの二冊だけ。
デヴュー作とその続編の二冊だけは別格であり、ここで完結している。

毎年、年明けにゆるゆる読み始め、来し方行く末に思いを馳せ、
後悔少ない一年にしてゆきたいな、などと考えたり、歯噛みして涙をこらえたり(電車の中で)
しながら頁をめくっているのである。



「秋山蔵書」との蔵書印は解説の秋山駿さんかなぁ、と妄想。
まさかね。