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祇園御霊会[日記] 2008/07/15

うだるような京都ではありました。

天高く、はためく山鉾の華やかな祇園祭ですが、
牛頭天王を祀る御霊会であるわけで、尾張津島の天王祭と同じように、
人混みの中に佇んでいると、何時しか昼夜分かちがたく、うつつの中にタナトゥスを見てしまいます。

高く、低く。
祇園囃子のながれる中を、毎夜の如くの千鳥足で彷徨っていると、
まさに甘美、な感覚に囚われ、何処にいるのか、何処へ行くのか、
自分は誰なのか、何をしたいのか、もうどうでもよくなってきます。

ただ、常と違い独り酒の淋しさがやけに身に染み、
梅雨を呑んだ鱧をあれこれ食べながら、つい、家人や友達に何度も電話を掛けてしまうのは、
まだ<あの世>だけへは行きたくない。ということなのでしょうか。