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震災二年[日記] 2013/03/12

ここ二・三日のとって付けたような震災報道を見るにつけ、
現実問題としての原発を含めた、一連の問題の<風化>を感ぜずにはいられない。
9日に明治公園で開かれた集会で大江健三郎氏が「なかったことにはさせない」
と語っているのは、まさにその風化への警鐘であろう。

震災直後のカタルーニャでの村上春樹氏の演説は、動揺し、進むべき道を見失っていた自分に行き先を示してくれた。
未だに使いこなせないスマホであるが、あの時ばかりは必死になって動画をダウンロードした。
いまでも立ち止まってしまった時には再生し、涙を咬む。

去年の夏の代々木公園での集会でも大江さんは熱く語ってくれた。
優れた文学者のおかげで僕らは踏み止まることができた。
ブンガク者はもっと自分の声で語るべきだ。
ことに文学賞の評者をしている連中は、社会への責任を果たしてもらいたい。

「〜私のいま現在の決意は三つです。
広島、長崎、そして福島をナカッタコトにしようとする連中と闘う。
もう一台の原子炉も再稼働させぬ。そのために働く。(以下略)」
今回の大江さんの発言です。

私も、私の戦場で闘い続けてゆかなければ。