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泥絵[日記] 2011/10/25

今回の長谷雄堂は泥絵!

<泥絵>とは、一般的には安価な泥絵の具で描かれた、幕末の江戸土産−。
といった括りをされるであろう絵画といえます。

江戸系、上方系、長崎系、と大まかに三系統に分類される泥絵のうち、
なるほど江戸系で大名屋敷を描いたものは、東海道入り口の品川宿で、
帰郷する下級武士江戸土産として売られていたものでしょう。

しかし、上方や長崎系には、絵画としてのレベルがかなり高く、
単なるお土産物とは到底言えない優れた泥絵も多く存在します。
そこには西洋風の遠近法や、陰影などを取り込む意識があり、
泥絵から銅版画、油絵と続く、初期洋風画としての側面も見逃せません。
かの司馬江漢も眼鏡絵・泥絵との関係が深かったといわれています。

先日、コレクターから一挙に40枚ほどの泥絵が市場にでて、
その中でも図抜けて出来のいい数枚を仕入れることができました。
上方系、江戸系ともに泥絵の中ではトップクラスといってもいい作品です。

仕入れた中からさらに絞って六点展示します。
大津絵などとも一脈通ずる、江戸庶民絵画の粋をお楽しみ下さい。