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頭塔・地獄谷・石位寺[日記] 2010/08/27

2000年に整備が完了した頭塔を趣がなくなったと評する声をよく聞きます。
古都のロマンチシズムは確かに消えてしまったかもしれない。
しかし、代わってそこには壮大な東アジアの仏教遺跡を実感できます。
大阪堺の「土塔」とともに数少ない土のスツーパ。
大陸的、西域の香りさえするスツーパ。
だいぶ昔の奈良博の展覧会「奈良・シルクロード博」
そのとき整備が完成していたら、ひとつの目玉になったのではないでしょうか。
もっと評価されていい、史跡整備だったと思います。

拓本は幾つも扱っていながら、恥ずかしながら訪れたことの無かった「地獄谷」
その名のとおり昼尚暗い谷間にあるのかと思いきや、
奈良奥山ドライブウェイの脇を尾根に向かって進み、
目指す地獄谷石窟仏は小高いひとつの頂きに作られた石窟なのでした。

拓本防止なのでしょうか、痛々しい鉄柵に覆われ、以外に小さく思われたそのお姿は
残念ながらあまりはっきりとは見る事が出来ませんでした。

春日山石窟仏、新池、首切り地蔵。世界遺産<春日山原始林>の中は楽しい!
杉の巨木や柳生街道の石畳など等見所も沢山。
でも一人だと異界に迷い込みそうでもあります。
ご自戒あれ。

そして、もうひとつのお楽しみ石位寺の三尊仏。
重文指定なので写真を撮れなかったのですが…。
大らかでふくよかな彫り。劣化も少なく、白鳳の石仏とはにわかには信じられないほど。
−良すぎて分からない−この辺が自分の限界かと、さびしくも思え石仏に見入っていました。