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猊利顛日誌 八[日記] 2010/07/11

巨石文化の代名詞といってもいいほどの「ストーン・ヘンジ」
現在はコースが区切られており遠巻きに見るだけだが、
今回特別にイングリッシュ・ヘリテイジの計らいにより、中に入り間近に見る事ができた。

ストーン・ヘンジは最初から石だった訳ではない。
ごく初期のヘンジは内側に木柱が立てられた円形の堀と土塁の神殿だった。
さらに木造建造物が建てられ、それが朽ち果てた頃ようやく巨石が運ばれてきたそうだ。

近くでは見られても、一切触れてはいかぬ。とのことで掌の感触は味わえず。

そして、もうひとつの大物、エイヴベリーの巨石群。
幾つかのストーンサークル、そして二列で直線に並ぶ巨石。

その大きさにやや辟易するも、周りの景観ふくめ、イギリス人は過去の遺産を本当に大切にあつかっている。
夜の十時まで明るいのに、五時前には客を追い出す町なかの店々。
コンビニエンスな店など何処にも無い。
生活のリズムを変えない頑固さが鼻につく。
アメリカの住宅の平均寿命は約44年。日本はなんと26年。
そしてイギリスは約75年だとか…。
ホント、頑固さが鼻につく。


エイヴベリーの真ん中にあるパブでまたまたフィッシュ&チップスを頼む。ここのもうまい。
骨董屋もあったのだ。ガラクタばかり。手にするモノもないほど。

夜はロンドンに戻り、あとは日本に帰るのみ。

最後の晩餐は空港のガスパッチョ。
残った小銭もこれで使い果たし、なんだか気分がいい。

10日に及ぶ大旅行(!)もあと12時間。おそらく二度と来る事は無いであろう。
そう思うとなかなかに感慨深いものがある。

自宅には帰って呑むように、とっておきの四合瓶を冷やしてある。

何処までも続くなだらかな牧草地の匂いと、イメージの日本酒の香が交じり合う。
身体は田園、意識は早やトキオ。
不思議な心もちで、さぁ日本へ帰ろう。


                                    猊利顛日誌 了